



レベッカ・ホール 作、ヒューゴ・マルティネス 絵、中條 千晴 訳(花伝社)
黒人女性たちの反乱を描いたグラフィックノベル。
歴史学者が文献から見つけた4人の女性の名前と「女性の数が多いほど反乱が起こっていた」という事実。なぜ彼女たちは反乱を起こしたのか、なぜ過去が奪われてきたのか.....物語を紡ぐことで「新たな未来を想像できる」ような過去を取り戻していく。
躍動感のある絵と熱気に満ちた言葉から、著者の強い意思とメッセージが伝わってきます。暴虐の被害者としてだけでなく、抵抗の戦士として描くことで回復する尊厳。読後は彼女たちの魂がまるで自分の胸に移植されたみたいな気分に。胸を打つ1冊です。
ーーーー出版社よりーーーー
歴史から抹消された、黒人女性たちの闘いがあった。
数々の記録が残る、黒人奴隷による反乱。その首謀者は、本当にすべて男性だったのか? 植民地時代のニューヨークや奴隷船を舞台に、女戦士たちの連帯の軌跡を辿る──BLM運動の時代に脚光を浴びる、隠されたシスターフッドの物語。
黒人歴史学者が“史実”に挑む、異例のグラフィックノベル!
●著者紹介●
[作]レベッカ・ホール(Rebecca Hall)
学者、活動家、教育者。父方の祖父母は奴隷として生まれた。人種、ジェンダー、法、抵抗の歴史について執筆/出版するかたわら、公平な温暖化対策やインターセクショナル・フェミニズムの理論に関する論文も発表。
本書(原題『WAKE: The Hidden History of Women-Led Slave Revolts』)は数々の賞を受賞。全米国人地位向上協会(N.A.A.C.P)イメージ賞およびPen Americaオープンブック賞の最終候補に選出されたほか、NPR、ワシントンポスト、フォーブス、Ms.マガジンの2021年のベストブックに選出。2022-23年度ラドクリフ研究所特別研究員。
[絵]ヒューゴ・マルティネス(Hugo Martínez)
ニューオリンズを拠点に活動。闘争、アイデンティティ、回復力に焦点をあてた作品を描く。
[訳]中條千晴(ちゅうじょう・ちはる)
博士号。フランス国立東洋言語文化学院(INALCO)特任講師。専門はポピュラー音楽とジェンダー、社会運動。翻訳に『博論日記』(2020 年、花伝社)。代表的論文に「ジェンダーの視点からポピュラー音楽を読み解く」(2021年、北樹出版『ガールズ・メディア・スタディーズ』)、「二一世紀のラブソング―現代日本のポップソングについての一考察―」(2021年、青土社『現代思想』2021年9月号)など。
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(2022年11月20日、A5判変形並製、216頁)
※t島店長のおたより同封
※エトセトラブックスのオリジナルカバーを付けて送ります。不要な方はコメント欄にご記入ください