





///清水晶子さんが選ぶ『セックスする権利』をめぐるBookguide For Feminist///
【日本で/から性を考える】
■『(見えない)欲望へ向けて クィア批評との対話』村山敏勝 著(ちくま学芸文庫)
「見えない」欲望を読み込むクィア批評の快楽と、そこに不可避的に生じる思想的・政治的緊張とを扱う本書が取り上げるのは、英文学のキャノンと、セジウィック、バトラー、ベルサーニなどの理論的著作である。英語圏クィア批評/理論の中心的課題の一つである欲望の読解に正面から取り組んだ日本語による稀有な著作。(清水晶子さんコメント)
▽▽▽▽▽出版社より▽▽▽▽▽
性差や異性愛といった規範が作用する場から見えない欲望を引き出し、新たな解釈を生産すること。本書は、そうしたクィア批評の声に耳を傾けながら、「自分ではない」ものへの同一化による読むことの快楽と、性的な快楽を混線させる試みである。セジウィックの理論や英文学の古典から、ホモソーシャルな欲望、文学共同体の規範を学ぶ快楽、プライヴァシーという概念装置等を縦横に論じるとともに、クィア批評と精神分析の思想的往還を、ジジェク、バトラー、コプチェク、ベルサーニらを読むことで辿った。クィアなるものが含む解放性と固有性のパラドックス、批評的・思想的探究と政治的意味の緊張をも見据えた名著。
この本の目次
1 見えない欲望を読む(セジウィックとホモソーシャル/ホモセクシュアル連続体
男と男のあいだ―『デイヴィッド・コパフィールド』のセクシュアリティ
ジェイン・オースティンを読む兵士たち)
2 プライヴァシーの亀裂と侵犯(わたしは作文を引き裂いた―『ヴィレット』と語る女性の私的領域
登場人物には秘密がない―E・M・フォースターのクローゼット)
3 精神分析とクィア批評の往還(欲望はそこにある―ジジェク、コプチェク、固い現実界
主体化されない残余≠去勢―ジュディス・バトラーと誤読のポリティクス
孤独なマゾヒズム―レオ・ベルサーニへの斜線)
△△△△△△△△△△△△△△△
(2022/02/09、文庫、336ページ)
※清水晶子さんのコメント付きオリジナルブックガイド、t島店長のおたより同封
※エトセトラブックスのオリジナルカバーを付けて送ります。不要な方はコメント欄にご記入ください
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